通年施工講習会に参加しました。


 2005年2月22日に新潟市で「通年施工講習会」(主催:通年施工推進協議会)が開催されました。

 通年施工推進協議会は、「積雪寒冷地域の冬期における厳しい自然条件を克服し、建設工事を施工するための技術の研究・開発を推進する」とともに、その普及、啓発活動に取り組んでいます。詳しいことは通年施工推進協議会のホームページをご覧ください。(http://www.mlit.go.jp/tec/kanri/tsuunen/index.htm

プログラム

●講演

・「コンクリート構造物の冬期施工における留意点について」

●通年施工化技術に関する取り組みについて

・「通年施工を取り巻く状況について」国土交通省大臣官房技術調査課

・通年施工化に関する取り組みについて

  「通年施工化の取り組みについて」北陸ブロック

  「冬期土工の品質向上に関する研究」北海道ブロック

  「通年施工化の取り組みについて(スーパー仮囲い)」東北ブロック

 通年施工推進協議会の依頼を受け、土質基礎研究室の西本室長が「冬期土工の品質向上に関する研究」について発表しました。

 北海道の冬期のような気象条件で施工した盛土は、満足できる品質を示さない事例が多いことから冬期土工は避けられてきました。品質が低下する理由は、盛土施工時に雪を巻き込んで含水比が増加してしまうことや、凍結土が混入し十分な締め固めが得られないことです。このため春以降凍結土が融解し盛土が変形することがあります。しかし、高規格幹線道路など大規模土工を必要とする道路の工期短縮や、非出水期である冬期間に行われることが有利な河川堤防の工事など、冬期間に土工工事を行うことが求められる場合もあります。

 発表内容は、冬期に土工工事を行う場合に何らかの工夫をして盛土の品質が低下しないように施工できないか検討したもので、連続した3箇年の屋外盛土試験結果についてまとめたものです。具体的な対策としては、凍結土を盛土材料から極力排除すること、それでも混入する凍結土に対して1層の締め固め厚さを薄くして締め固めることにより、品質を確保するものです。ただし、薄層化することにより敷均し転圧回数が増えるので施工費は増加することになりますが、早期供用によるサービス向上、安全性など施工費増を上回る効果を上げられる可能性があります。成果を生かす対象としては、日高・十勝・釧路・根室地方など雪の少ない地域の高規格幹線道路や河川堤防の工事が考えられます。今後、大型機械による施工や、不良土の安定処理に用いられる生石灰の発熱作用の活用などを検討し、コストを抑えたより実用的な施工法を提案したいと考えます。

会場の様子

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