「土質基礎の技術に関する『創意工夫』技術報告会」に参加しました


 1月20日(金)に札幌市で「土質基礎の技術に関する『創意工夫』技術報告会」(主催:北海道土木技術会土質基礎研究委員会)が開催されました。

 最近の土木事業には、コスト縮減や周辺環境への配慮、さらには利用者や作業員の安全確保などがこれまで以上に求められています。技術報告会は、これらの問題やその解決策を見出すための情報交換や資料収集の場を提供することを目的として『創意工夫』をテーマに開催されたものです。

 土質基礎研究室から、佐藤厚子主任研究員が研究成果を発表しました。その概要は以下のとおりです。

飛散を防止した固化材散布機の開発

 建設工事で発生する不良土を現場内で盛土材料として利用する場合、固化材を混合して改良しますが、散布および混合作業で粉塵が発生し、作業員の健康や周辺環境に影響を与える恐れがあります。そこで、固化材の飛散防止を目指して固化材を土砂内に柱状に挿入できる装置を開発しました。発表では、この工法の原理および開発した機械、飛散防止効果について発表しました。

その他の発表

 地盤改良に関して、浅層・中層混合処理工法の開発と施工事例、JR近接施工となる大深度地盤改良工法の設計検討と施工監理、単独では利用できない浚渫土(砂と粘性土)同士の粒度調整による築堤盛土、の4編がありました。


写真 会場の様子

 その他に、既設の橋桁による上空制限を受ける作業空間下での鋼管矢板圧入工法、自然エネルギーとして地下熱を活用した戸建て住宅における融雪用エネルギーパイルシステムの導入可能性、世界中の衛星を利用して信頼性を向上させた衛星ナビゲーションシステムを活用した地すべり連続観測、の発表がありました。

 すべての発表が、実際の施工事例や観測事例であったため内容をイメージしやすく、参加者から自分の経験と照らした活発な議論がなされました。また、新工法開発に至る失敗例を紹介した発表もあり、参加者は熱心に聞き入っていました。

 次回の技術報告会のテーマは未定ですが、同じ『創意工夫』でも、新工法・新技術のような大きなものではなく、もっと身近な普段の業務での創意工夫を紹介してはどうかとの意見もありました。



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