「第41回地盤工学研究発表会」に参加しました2006年7月12日から14日までの3日間、鹿児島市で第41回地盤工学研究発表会(主催:社団法人地盤工学会)が開催されました。大会は、研究発表を中心に、災害および地盤工学の11のトピックスについて討議する「ディスカッションセッション」、各研究分野の第一人者による「展望」、関連する最新技術の「技術展示コーナー」、昨年9月に発生した台風14号による山陽自動車道盛土のり面崩壊に関する特別セッション、首都圏を直下地震から守るための提言を行う特別セッション、一般市民向けに公開する市民フォーラムなどが行われ、約2,200名の参加者がありました。 ◆ 研究発表寒地土木研究所では以下の14編の論文を発表しました(発表のみの件数、共著は除く)。 <寒地地盤チーム>
<防災地質チーム>
<水利基盤チーム>
◆ ディスカッションセッションディスカッションセッションの「都市地盤情報―次世代に引き継ぐ知的公共財産―」では、地盤情報に関する研究の発表と、各地で作成されている地盤情報データベースの紹介があり、今後の地盤情報のあり方について討議が行われました。寒地土木研究所からは、寒地地盤チームが構築に関わった「北海道地盤情報データベースVer.2003」のデモンストレーションおよび組織運営等に関する紹介を行いました。 ◆ 特別セッション特別セッションの「台風14号による山陽自動車道盛土のり面崩壊を経験して」では、調査検討委員会が導いた原因および復旧方法、災害発生から復旧までの対応について報告がありました。この災害は、施工後10年を経過し本来安定しているはずの盛土が崩壊したことで、地盤工学に関わる技術者にとって大きな衝撃でした。崩壊要因は、気象的要因、地質構造的要因、地形的要因、排水工の要因が重なったものと結論づけられました。復旧工法の3万m3の盛土はすべて岩砕で行われました。これは盛土内に浸透水が滞水しないようにするとともに、降雨にかかわらず施工できるため工期短縮も考慮されたものです。さらに、のり面の下部にはフトン篭が8段ほど使用されたほか、横断管や地下排水工が充実され、盛土内への浸透水および地下水を速やかに盛土外へ排出できる構造となりました。 大会期間中は、最高気温が35℃を超える猛暑が続きました。地球温暖化防止の観点から会場の温度は28℃に設定されていましたが、そのためノーネクタイ、ノー上着での参加が奨励されていたのが幸いでした。 本研究発表会では、国内の研究事例や新たな技術動向など、今後の研究の参考となる情報を得るとともに、多くの方々と発表などを通じて交流することができました
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