第42回地盤工学研究発表会に参加しました


2007年7月4日から6日までの3日間、名古屋市で第42回地盤工学研究発表会(主催:社団法人地盤工学会)が開催されました。大会は、研究発表を中心に、災害および地盤工学の11のトピックスについて討議する「ディスカッションセッション」、各研究分野の第一人者による「展望」、関連する最新技術の「技術展示コーナー」、今年3月に発生した能登半島沖地震に関する特別セッション、「理学」、「工学」、「医学・人文科学等」の分野から自然災害の最新の知見を議論する技術者交流特別セッションなどが行われました。

本研究発表会では、国内の研究事例や新たな技術動向など、今後の研究の参考となる情報を得るとともに、多くの方々と発表などを通じて交流することができました。

◆ 研究発表

寒地地盤チームから以下の8編の論文を発表しました(発表のみの件数、共著は除く)。

《寒地地盤チーム》

  • 凍結を利用した高含水比土の改良について(佐藤厚子)
  • パイルドラフト併用基礎の支持機構の解析(その1−設計手法・解析条件)(冨澤幸一)
  • 現場透水試験および段階載荷圧密試験による泥炭地盤の透水係数の評価(林宏親)
  • 直接基礎の寸法効果を考慮した設計計算に関する検討(福島宏文)
  • 北海道で施工されたトレンチャー式撹拌工法の改良特性について(橋本聖)
  • 深礎杭の現地計測に基づく周面抵抗力の評価(角田富士夫)
  • フローティング式低改良率深層混合処理工法の泥炭性軟弱地盤への適用(城戸優一郎)
  • 北海道における切土のり面被害の形態と対策について(泉澤大樹 網走開発建設部:前研究員)

◆ ディスカッションセッション

ディスカッションセッションの「基礎構造設計に関わる新技術評価のあり方について」では、新技術の現状と課題について議論が行われました。当研究チームの冨澤主任研究員が話題提供を行いました。

なぜ新工法・新技術の活用が進まないのか?その妨げとなっている事由としては、発注者が実績を重視する(新技術には当然のことながら実績はない)、設計法が確立していない、歩掛が整備されていない、同種工法が多様であり選定が難しい等の指摘がありました。

また、地盤工学会として何ができるか、何が期待されるかということが議論されました。学会のできることとしては、技術の認知のサポート、技術認証プロセスの開発、開発者と利用者の橋渡し役などがあげられました。ただし、新技術の学術面以外のサポートができるのか?認証した技術に問題があったときにどこまで責任を取ることが求められるか?などの問題も指摘されました。



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