土木技術者女性の会現場見学会に参加しました!11月17日土木技術者女性の会北海道地区主催の現場見学会に参加してきました。土木技術者女性の会は、土木会で働く女性の知識向上、活動しやすい環境作りを目的として1982年に土木学会会議室で開かれた座談会を機に作られた会です。現在約150名の会員で構成されている全国的な組織です。年1回の総会と北海道、関東、中部、関西の4つに分かれている地区活動が主な活動です。北海道地区では、年3回の活動を基本としていますが、今回はその活動の1つである現場見学会に参加してきました。 写真−1 入口に設置されたAED 写真−2 アンダーパス工事 写真−3 コンクリート継ぎ目のプチプチ 写真−4 かぶり測定器 写真−5 参加者全員で 見学現場は、今札幌で最もホットな工事現場である創成川アンダーパス連続化工事です。この工事は、札幌市の南北交通の主軸である創成川通りにある2つのアンダーパスを連続化するものです。通過交通とアクセス交通の分離による安全性の向上および創成川通りを横断する歩行者の安全性の確保をはじめとして自動車交通の円滑化や都心環境の改善を目的として、平成16年から平成22年の工期で施工されます。 見学会は、街の中心にあるきれいなビル内の現場事務所で、事業・工事の概要の説明として、この工事の必要性や効果などのお話をいただきました。その中で、創成川の話や100年近くも前の工事箇所付近の写真など貴重な資料を見せていただきました。中でも東京日本橋ととてもよく似た構造である創成橋の話はとても興味深いものでした。日本橋よりも1年早く完成しています。なぜかちょっとうれしくもありぐっと胸を張りたくなりました。この橋は、石材とコンクリートを用いており、強度を測定したところ、石材は十分な強度を有しているものも多く、かなりの材料をそのまま利用して復元されるとのことです。復元された姿がとても楽しみです。 このあと、実際の工事現場に入りました。入り口にはAEDが設置され、安全を重視していることがわかります。都心部での工事であり、工事箇所は日中の人口が多くオフィスやマンションが多く存在するため、日中の作業が制限され、主に夜間作業が中心となります。このため、ボックスの上部はコンクリート打設ではなく工場製品とするなど、早期の供用をめざして努力している様子がよくわかりました。 また、この現場では、コンクリートの継ぎ目にチッピング材よりも良好な効果が得られ、清掃の簡素化のために梱包材であるプチプチを使っていました。驚きでした。さらに、ボックスの壁が高くなるので、ボックス下部の鉄筋のかぶりの確認が難しいことから、日本に5台しかない、深い位置の鉄筋かぶり測定器を用いていました。より確実に、安全に工事を進めるための工夫が随所に見られました。 この工事は、平成22年の完成ですが、アンダーパスの供用は21年です。開通による利便性のアップに期待するとともに復元された創成川を含む緑の空間の創造も楽しみです。 最後になりましたが、快く現場を見学させていただいた札幌市、北海道開発局、鹿島建設(株)、休日の土曜日の貴重な時間を割いて説明をしていただいた札幌道路事務所道路課、鹿島建設の担当の方々に深く感謝いたします。 (文責 佐藤厚子) [▲寒地地盤チームTOP] [▲寒地土木研究所TOP] |