佐藤 厚子 寒地地盤チーム主任研究員 博士(工学)の学位授与される


当研究所 寒地地盤チームの佐藤厚子主任研究員は、平成21年9月11日付けで、北見工業大学大学院 博士後期課程を修了し、博士(工学)の学位を授与されました。学位論文の題目は「寒冷地における不良土の有効利用に関する研究」です。

近年、循環型社会構築への関心の高まり、廃棄処分できる場所が限定されることなどから、資源の有効利用が重要となっています。

本研究は、建設工事で発生する土砂のうち、十分な強度を持たない材料を改良して盛土材料として有効利用するための技術をまとめたものです。特に、一般的な不良土改良手法は、北海道のような寒冷気候を考慮したものではないことから、低温を考慮した不良土対策手法が必要です。

このため、固化材による改良方法に関して、寒冷地で冬期に土工を実施する場合の材料特性を把握するとともに、固化処理した材料の品質管理手法、固化処理する場合に使用する固化材量を低減する方法、補強土壁背面盛土材として用いる方法について示しています。さらに、その他の改良方法として、地面が凍結するとき、未凍結部分から水分を吸い上げて凍結することに着目した実験を行うなど、北海道の気候を利用することにより含水比が低下できることを示しています。これらの結果は、北海道において不良土の有効利用を推進し、循環型社会構築に大きく寄与することが期待されます。


指導教官である鈴木教授と一緒に

学位論文公開発表会の様子


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