北海道における降雨および融雪被害発生箇所
近年、突発的に発生するゲリラ豪雨や急激な融雪等に伴う斜面崩壊が多発し、道路の長期的な通行止めに至る災害が増加しています。寒地地盤チームでは、急激な融雪等による道路斜面災害の発生要因を明らかにするとともに、道路斜面の合理的な点検方法の確立を目指した研究を行っています。
泥炭地盤状盛土の地震による被害事例
近年の大規模な地震では、盛土部の損傷が道路交通機能に大きく影響を与えた事例が多く、特に、高盛土、谷状地形盛土、泥炭地盤に築造された盛土に甚大な被害が発生しています。今後発生が予想される大規模な地震において、被害を低減させる技術の確立が求められており、寒地地盤チームでは、泥炭地盤における盛土の耐震性能照査および耐震補強技術に関する研究を行っています。
火山灰質土地盤の液状化による変状事例
東日本大震災では広範囲にわたって液状化が発生し、インフラ施設等に甚大な被害をもたらし、社会に大きな影響を与えました。北海道に広く分布する火山灰質土は生成過程の違いにより砂質土など一般的な土とは力学特性が異なることから、寒地地盤チームでは、この特殊な特性を持つ火山灰質土の液状化の発生予測の精度を向上させるための研究を行っています。
切土のり面安定構造物の調査
積雪寒冷地においては、土の凍上・凍結融解などに起因する舗装や切土のり面の損傷、のり面安定構造物の機能低下等の事例が報告されています。寒地地盤チームでは、凍上・凍結融解を受ける切土のり面の点検・診断技術や凍上・凍結融解に強いのり面安定構造物に関する技術の研究を行っています。
火山灰質土は生成過程等の違いにより一般的な砂質土等とは力学特性が異なることが問題となっています。このため、火山灰質地盤の液状化および杭基礎の挙動を反映した合理的な液状化対策技術に関する研究を行っています。
より経済的で耐久性に優れた道路舗装を構築するため、現在は独立した方法によって設計されている道路土工と舗装を、全体系で評価して設計・品質管理するための研究を行っています。寒地地盤チームでは、特に、衝撃加速度による品質管理手法(路盤、固化改良路床、小規模掘削箇所など)に関係する研究を行っています。
軟弱地盤改良の建設コスト縮減のため、セメントによる浅層混合処理工法と深層混合処理工法を組み合わせた複合型地盤改良技術の改良効果を明らかにし、設計・施工方法の提案を目指した研究を行っています。
積雪寒冷地において施工された補強土壁では、土の凍上現象に起因する変状が発生しています。この変状メカニズムを解明するとともに、非破壊試験技術を活用した既設補強土壁の健全度評価手法の確立を目指した研究を行っています。
平成28年8月の台風の影響により、北海道では橋梁周辺の構造物が甚大な被害を受けました。寒地地盤チームでは、洪水に強い橋台背面盛土を築造する技術開発の研究を行っています。
近年、橋梁が架かる河川の急激な増水の頻発により、橋台基礎や橋脚基礎の洗掘災害が多発する傾向にあります。洗掘を受け易い橋梁を事前に抽出できる手法を提案するための研究を行っています。
工事現場で発生する不良土や特殊土を固化材で改良する方法のひとつとして、固化破砕土に改良する方法があります。固化破砕土により盛土を施工する場合の品質を管理する方法を提案するための研究を行っています。
アスファルト廃材のストックが地域によっては余剰となっていることがあります。このアスファルト廃材を盛土材や不良土の改良材として活用するための研究を行っています。
北海道にはオオイタドリが広い範囲で分布しています。オオイタドリは繁茂が旺盛で道路や河川堤防の景観が悪くなるだけでなく安全性にも影響を与えます。このために生育を抑制するための方法の研究を行っています。